【FAQ】VRRPのあるある疑問をパパっと解消

哲学者トニーくん
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アドバタイズメントパケットって何?

アドバタイズメントパケットの正体

アドバタイズメントパケットは、VRRPの生存確認やルータの役割(マスタ・バックアップ)を伝えるためのパケットです。これはIPパケットとして送信されます。

具体的には:

  • プロトコル: IPパケット(IPv4 or IPv6)
  • プロトコル番号: 112(VRRP専用の番号)
  • 送信元IPアドレス: 物理インターフェースのIPアドレス
  • 宛先IPアドレス: 224.0.0.18(VRRPのマルチキャストアドレス)
  • TTL(生存時間): 255(ルータをまたがないようにする。1つでも減ったらそれを不正パケットだと判断する)

つまり、マスタルータはVRRP専用のマルチキャストアドレス(224.0.0.18) に向けて、特定のフォーマットのパケットを送ります。このパケットをバックアップルータが受け取り、「マスタが生きているな」と確認します。


アドバタイズメントパケットの中身

パケットの中には、次のような情報が入っています:

  • VRRPバージョン(2か3)
  • VRRPグループID(同じグループのルータ同士を識別する番号)
  • 優先度(Priority)(ルータの優先順位)
  • 仮想IPアドレス(クライアントが使うゲートウェイIP)
  • チェックサム(データ破損を検出するため)

バックアップルータはこれを受け取り、マスタルータが正常稼働しているかどうかを判断します。もし一定時間パケットが届かなくなった場合、「マスタが死んだ!」と判断し、バックアップルータが自動的に昇格します。


ルータ同士のやりとりのイメージ

  1. マスタルータ → バックアップルータに定期通知
    マスタルータは「私は生きてるよ!優先度110だよ!」と、1秒ごとに224.0.0.18 にパケットを送る。
  2. バックアップルータ → パケットを監視
    バックアップルータはこのパケットを受信し続けて、「マスタは大丈夫だな」と確認する。
  3. 障害発生 → バックアップルータが昇格
    マスタが壊れてパケットが来なくなると、バックアップルータは「3秒間パケット来ない!じゃあ俺がマスタになる!」と仮想IPアドレスの処理を引き継ぐ。

なぜマルチキャスト?

VRRPはマルチキャストアドレス(224.0.0.18)を使うので、同じネットワークにいる複数のバックアップルータが同時にパケットを受け取れます。これにより、ルータが2台以上ある場合でも、全員がマスタの状況を把握できます。

また、TTLが255に固定されているので、ルータを超えてパケットが広がることはありません。これはVRRPが同一セグメント内で動作するプロトコルだからですね!


まとめ

  • アドバタイズメントパケットはIPパケットで送られる。
  • VRRP専用のプロトコル番号(112) を使用。
  • 送信先は224.0.0.18(マルチキャストアドレス)。
  • パケット内には優先度や仮想IP などの重要な情報が含まれる。
  • TTLは255 で、同じネットワーク内だけでやりとりされる。

結論として、アドバタイズメントパケットは普通のIPパケットの一種で、VRRP専用のプロトコル番号とマルチキャストアドレスを使うことで、ルータ同士が効率的に生存確認をしているんですね!


哲学者トニーくん
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VRRPは拠点間では使わないの?

1. VRRPは「同じLAN内のルータ」専用だから

VRRPはもともと、同じネットワークセグメント内のルータを冗長化するためのものです。

なぜかというと:

  • アドバタイズメントパケットは、リンクローカルのマルチキャスト(224.0.0.18)で送られる。
  • TTL=255 なので、ルータを1台でも越えるとパケットが破棄される。

つまり、拠点ごとにネットワークが分かれていると、VRRPパケットが届かず、そもそも拠点間でVRRPは動かないんです!


2. 仮に拠点間でVRRPを無理やり使ったら?

例えば、VRRPを無理やり拠点間で使って、本社と支社のルータを1つの仮想ルータにまとめたとします。するとこうなります:

LESS
【本社】                【支社】
PC — R1(マスタ) — インターネット — R2(バックアップ) — PC

このとき、仮想IPアドレスを持つのはマスタルータ(例:R1)です。支社のPCは、デフォルトゲートウェイに本社ルータの仮想IPを使うことになります。

するとどうなるか?

  • 支社のPC → 本社ルータまでわざわざ通信する。
  • 支社ルータが生きてても無視される(マスタじゃないから)。
  • 遅延が増えるし、回線帯域も無駄になる。

これだと「支社ルータがあるのに使わない」という無駄な状態になります!


3. WAN回線障害に弱い

さらに問題なのが、WAN回線が切れたとき

  • VRRPはルータ障害には強いけど、WAN障害は検知できない
  • WAN回線が切れてても、本社ルータが生きていれば、支社の通信は本社に行こうとして詰まる

これだと、WAN回線が死んでるのに切り替わらないので、冗長化の意味がなくなります!


4. じゃあどうすればいい?

こういう拠点間の冗長化には、ルーティングプロトコル(OSPF/BGP)がぴったりです!

  • 障害発生時に自動で経路切り替え
  • WAN回線障害も検知できる。
  • 最適なルート選択で、通信の遅延や無駄なトラフィックを防ぐ。

結果:

  • LAN内のゲートウェイ冗長化はVRRP
  • 拠点間の冗長化はOSPF/BGP

この組み合わせがベストです!


5. まとめ(超シンプル)

拠点間でVRRPを使わない理由は:

  • VRRPは同一LAN専用で、ルータを越えられない。
  • 無理やり使うと遅延とトラフィックの無駄が発生。
  • WAN回線障害に対応できないから、冗長化にならない。

だから、拠点間はルーティングプロトコル、LAN内はVRRPと使い分けたほうが、ずっと効率的で安定します!



哲学者トニーくん
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