【応用情報/ストラテジ対策】ビジネスフレームワーク頻出5選【前編】

ビジネスフレームワーク

はじめに

今回は、応用情報の対策としてストラテジ領域のビジネスフレームワークについてやっていきます。これらは、お金(資産)を増やすことと結びついている知識です。そのため、ゆくゆくは経営者・投資家などを目指している方はここで頭に入れておきましょう!

【今回扱う5つの用語】
()括弧はどのように役立つかを示しています。

  • アンゾフの成長マトリクス(成長のための適切な方針を見つけることができる)
  • バランススコアカード(BSC)(企業は経営目標の設定と戦略の評価をバランスよく行える)
  • バリューチェーン分析(付加価値を生み出す部分と無駄な部分を特定し、効率性を高められる)
  • ファイブフォース分析(より戦略的な意思決定を行い、競争上の優位性を築くことができる)
  • プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)(製品やサービスを効果的に開発、維持、更新し、市場の需要や競争環境に適応することができる)

p.s.前後編っていう形にしてますが前後関係はないので好きなところだけ見てください。

後編

アンゾフの成長マトリクス

アンゾフの成長マトリクス
  • アンゾフの成長マトリクスは、企業が成長戦略を考えるためのツールです。
  • アンゾフの成長マトリクス市場の現在の状況と製品の成長ポテンシャルを組み合わせて使用される。
  • アンゾフの成長マトリクスを活用することで、企業は自身の現状や将来の戦略を客観的に評価し、成長のための適切な方針を見つけることができます。これにより、競争力を強化し、持続可能な成長を実現することができます。
  • 市場と製品の成長に関する4つの戦略を示すマトリクスで構成される。
  • 市場浸透新市場開拓新製品開発多角化の4つの成長戦略を含む。
たとえ話:アンゾフの成長マトリクス
アンゾフの成長マトリクス

想像してみてください。ある会社が、自分たちの商品を広めたいと思っています。アンゾフの成長マトリクスでは、その目標を4つの戦略に分けて考えます。

まずは、「既存の商品を既存の市場に売る」ことから始めます。これは、すでにある商品を、すでにあるお客さんに売り続けることです。例えば、あるお菓子メーカーが、チョコレートを普段のお店で販売することです。

次に、「既存の商品を新しい市場に広げる」ことです。これは、すでにある商品を、新しいお客さんにも売りたいという戦略です。例えば、同じお菓子メーカーが、海外のお店でチョコレートを販売することです。

そして、「新商品既存の市場に出す」ことです。これは、まだない商品を、すでにあるお客さんに販売することです。例えば、お菓子メーカーが新しい味のチョコレートを作って既存のお店に並べることです。

最後に、「新商品を新しい市場に出す」ことです。これは、まだない商品を、新しいお客さんに販売することです。例えば、お菓子メーカーが海外の新しい市場に新しい味のチョコレートを導入することです。

このように、アンゾフの成長マトリクスは、企業が商品をどう広げるかを考えるのに役立ちます。

詳細:市場浸透
アンゾフの成長マトリクス 市場浸透
  • アンゾフの成長マトリクスの構成要素の一つ
  • 既存の市場において自社の製品やサービスのシェアを拡大することを目指す戦略。
  • 既存の顧客層をより深く、広範囲にサービスするために使用される。
  • : 既存の製品ラインを改善し、価格設定を調整し、プロモーション活動を強化することで、既存市場でのシェアを拡大する。
  • 既存製品既存市場
詳細:新市場開拓
アンゾフの成長マトリクス 新市場開拓
  • アンゾフの成長マトリクスの構成要素の一つ
  • 新たな市場セグメントや地理的領域に進出することを目指す戦略。
  • 新しい顧客層を獲得し、企業の収益基盤を拡大するために使用される。
  • : 新しい地域や国への進出、新しい顧客セグメントへのマーケティング活動、異業種への展開など。
  • 既存製品新市場
詳細:新製品開発
アンゾフの成長マトリクス 新製品開発
  • アンゾフの成長マトリクスの構成要素の一つ
  • 既存の市場新製品やサービスを導入することを目指す戦略。
  • 顧客のニーズや市場の変化に対応し、競争力を維持または強化するために使用される。
  • : 新しい技術を活用した製品の開発、既存製品の改良や拡張、新しい特許や知的財産の取得など。
  • 新製品既存市場
詳細:多角化
アンゾフの成長マトリクス 多角化
  • アンゾフの成長マトリクスの構成要素の一つ
  • 新しい製品やサービス、で新しい市場セグメントに参入し、既存の事業ポートフォリオを拡大することを目指す戦略。
  • 企業のリスク分散や成長機会の拡大、収益の多様化を図るために使用される。
  • : 関連産業への進出、新しい事業分野の開発、新規事業の買収や合併など。
  • 新製品新市場

バランススコアカード(BSC)

バランススコアカード(BSC)
  • バランススコアカード(BSC)は、企業が目標設定業績評価を行うための管理ツールです。
  • バランススコアカード(BSC)の理解により、企業は経営目標の設定と戦略の評価をバランスよく行い、持続的な成長を促進できます。
  • バランススコアカードは、「財務面」「顧客面」「業務プロセス面」「学習と成長の面」の4つの視点でバランスを取りながら実行・評価していくもの
  • 適切な指標の選択や設定が難しく、過剰な指標化により管理が複雑化する場合があります。
  • 組織全体にわたるバランススコアカードの導入や実装には時間とリソースが必要であり、実行が難しい場合があります。
たとえ話:バランススコアカード(BSC)

バランススコアカードはバスケットボールゲームでのスコアボードのようなものです。

まず、スコアボードには複数の指標が表示されます。例えば、得点やリバウンド数など、チームのパフォーマンスを測るためのさまざまな数字が表示されます。バランススコアカードも同様で、企業のパフォーマンスを測るための複数の指標が含まれています。

そして、これらの指標は主に4つの視点から捉えられます。それぞれの視点は次のとおりです。

財務の視点
  • 企業の財務的な健全性を評価します。
  • 売上高、利益、資産利用効率、キャッシュフローなどが含まれます。
顧客の視点
  • 顧客満足度や市場シェア、顧客獲得・維持のための取り組、顧客獲得率など、顧客との関係を評価します。
内部業務プロセスの視点
  • 企業の内部プロセスの効率性や品質を評価します。
  • 生産効率(サプライチェーンの効率性)、品質管理、納期遵守率などが含まれます。
学習と成長の視点
  • 従業員のスキル向上やイノベーションの推進、組織文化の強化など、企業の持続的な発展に関する要素を評価します。
  • 企業の学習と成長を促進する取り組みを評価する。

バランススコアカード(BSC)はこれらの指標を総合的に評価することで、企業の健全性や成長性を把握し、戦略の遂行や改善点の発見に役立てることができます。

バリューチェーン分析

バリューチェーン分析
  • バリューチェーン分析は、企業が製品やサービスを提供する過程全体を詳しく分析し、その中で付加価値を生み出している部分や無駄な部分を見つけ出す方法です
  • バリューチェーン分析は企業の活動を「主要活動」と「支援活動」に分類し、それぞれの活動が製品やサービスの付加価値にどのように貢献するかを評価します。
    →これにより企業は効率性を向上させ、競争上の優位性を獲得するための戦略を策定することができます。
  • バリューチェーン分析は、企業が自社のビジネスプロセスを詳細に調査し、付加価値を生み出す部分と無駄な部分を特定する手法です。これによって、企業は効率性を高め、競争力を向上させることができます。
  • バリューチェーン分析を通して企業は製品やサービスの提供プロセスを最適化し、コストを削減し、顧客価値を最大化する方法を見つけることができます。
たとえ話:バリューチェーン分析

製品やサービスを提供するためには、たくさんの工程や活動が必要です。例えば、パンを作る場合を考えてみましょう。小麦を収穫し、挽いて粉にし、そこから生地を作り、焼いてパンにする、といった一連の工程があります。

バリューチェーン分析では、これらの工程を「主要活動」と「支援活動」に分類します。主要活動は、製品やサービスを直接提供するのに必要な活動であり、付加価値を生み出す部分です。例えば、小麦を粉に挽く作業や、生地を作る作業が主要活動です。

一方、支援活動は、主要活動を支えるための補助的な活動です。例えば、小麦を収穫する農家や、パン屋の店舗管理などが支援活動です。これらの活動も重要ですが、直接的な付加価値を生み出すわけではありません。

バリューチェーン分析を行うことで、企業はどの活動が効率的であるか、どの活動がコストを生み出しているかを把握し、改善点を見つけ出すことができます。これにより、より効率的な生産プロセスや、競争力のある製品やサービスを提供することができるようになります。

バリューチェーン分析の流れ
  1. 主要活動の特定
    • バリューチェーン分析では、企業や産業が行っている主要な活動を特定します。これには、原材料の調達、生産、製品の配送、販売、サービス提供などが含まれます。
  2. 付加価値の特定
    • 各活動が顧客に付加価値を提供する方法を評価します。付加価値とは、顧客が商品やサービスに支払う価値のことであり、製品やサービスが顧客のニーズや要求を満たす能力によって決まります。
  3. 活動間の関係の理解
    • バリューチェーン分析では、各活動がどのように相互作用し合い、付加価値を生み出すのかを理解します。例えば、生産活動が販売活動に影響を与え、最終的に顧客満足度につながる可能性があります。
  4. コストと効率性の評価
    • 各活動がどれだけコストがかかり、どれだけ効率的に行われているかを評価します。効率的な活動はコストを下げ、収益性を向上させることができます。
  5. 競争上の優位性の発見
    • バリューチェーン分析を通じて、企業や産業が競争上の優位性を持つための機会やポテンシャルを発見することができます。例えば、特定の活動において他社よりも効率的であることが明らかになるかもしれません。
詳細:主要な活動

購買物流(調達・在庫管理)
製造(生産計画・生産)
出荷物流(出荷準備・配送)
マーケティング・販売
サービス(アフターサービス・顧客関係管理(CRM))

詳細:支援活動

全般管理(組織の運営・意思決定・リーダーシップ)
人事労務管理(トレーニングと開発・労働関係管理)
技術開発(製品開発・技術革新・品質管理)
調達活動(調達戦略・契約交渉・リスク管理)

ファイブフォース分析

ファイブフォース分析
  • ファイブフォース分析は、企業が競争環境を理解し、戦略を立てるためのツールです。
  • ファイブフォース分析を理解することで、企業はより戦略的な意思決定を行い、競争上の優位性を築くことができるようになります。
  • ファイブフォース分析では5つの要素を重点的に評価します。
    ・供給業者の力
    ・顧客の力
    ・競合他社の競争
    ・新規参入の脅威
    ・代替品の脅威
たとえ話:ファイブフォース分析

イメージしてみてください。あるお店が、新しい商品を販売したいと思っています。しかし、その商品を売る際には、外部の環境や競合他社の影響を考える必要があります。ファイブフォース分析では、このような外部の要因を「5つの力」として考えます。

まず1つ目は、「競争の激しさ」です。他のお店や企業が同じ商品やサービスを提供している場合、競争が激しくなります。たとえば、同じ街に同じような商品を扱うお店が多い場合、お客さんがどこで買うかを競い合います。(=競合他社の競争

2つ目は、「顧客の交渉力」です。お客さんが商品を買う際に、価格や品質などを交渉することができる場合、顧客の交渉力が高いと言えます。たとえば、同じ商品を扱う複数のお店がある場合、お客さんは価格やサービスを比較して選ぶことができます。(=顧客の力

3つ目は、「仕入れ先の交渉力」です。商品を仕入れる際に、取引条件や価格を交渉できるかどうかが重要です。たとえば、あるお店が特定のメーカーから商品を仕入れる場合、そのメーカーの交渉力が高ければ価格や条件を有利に交渉できます。(=供給業者の力)

4つ目は、「代替品や代替サービスの脅威」です。顧客が同じニーズを満たすために、他の商品やサービスを選択できる場合、代替品や代替サービスの脅威が高いと言えます。たとえば、電車の代わりにバスや自転車を使うことができる場合、電車会社はその競争に直面します。(=代替品の脅威

最後に5つ目は、「新規参入の脅威」です。新しい企業やお店が市場に参入してくることで、競争が激しくなる可能性があります。たとえば、新しいお店がオープンすることで市場が拡大し、既存のお店に影響を与えることがあります。(=新規参入の脅威

これらの「5つの力」を分析することで、企業は自分の市場環境を理解し、競争戦略を立てる手助けになります。

詳細:供給業者の力

製品やサービスの提供に必要な部品や材料を供給する業者の力は、企業の生産活動に直接影響を与えます。業者の交渉力や代替品の有無などを考慮することが重要です。

詳細:顧客の力

顧客は市場での商品やサービスの需要を決定し、価格や品質に影響を与えます。そのため、顧客の要求や嗜好を理解し、満足させることが重要です。

詳細:競合他社の競争

同業他社との競争は市場シェアや利益に直接影響を与えます。競合他社の戦略や強み、弱みを理解し、競争上の優位性を確保することが重要です。

詳細:新規参入の脅威

新しい企業が市場に参入することで、競争が激化し、市場シェアが減少する可能性があります。競合他社の新規参入の障壁や顧客の切り替えコストを分析することが重要です。

詳細:代替品の脅威

顧客が代替品や類似品に簡単に切り替えることができる場合、企業の競争力が低下する可能性があります。代替品の品質や価格競争力を評価することが重要です。

要するに、ファイブフォース分析は、企業は自身の競争環境を把握し、戦略を策定する際のリスクや機会を理解することができるようになります。

プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)

プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)
  • プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)は、企業が製品やサービスのポートフォリオ(複数の製品やサービスの集まり)を効果的に管理するための手法です。
  • PPMの目的は、企業が自社の製品やサービスを効果的に開発維持更新し、市場の需要や競争環境に適応することです。
  • PPMは製品を問題児花形負け犬金のなる木に分類わけすることができる。
  • PPMを理解することによって企業は製品やサービスの開発やマーケティングにおける戦略的な判断を行い、競争力を強化し、持続可能な成長を実現することができるようになります。
たとえ話:プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)
プロダクトポートフォリオマネジメント

想像してみてください。あなたがお菓子会社の経営者だとします。あなたの会社にはチョコレート、クッキー、キャンディーといったさまざまな製品があります。PPMは、これらの製品を適切に管理し、成功させるための方法です。

まず、PPMでは企業が持つ製品やサービスをポートフォリオとして捉えます。このポートフォリオには、市場で競合する他の商品や、将来的なニーズに対応する新製品などが含まれます。

次に、PPMは企業がポートフォリオの製品やサービスについて評価し、優先順位付けを行います。どの製品が成功していて、どの製品が改善の余地があるかを見極めます。

そして、PPMは企業がリソースを効果的に割り当てます。限られた時間やお金をどの製品やサービスに集中させるかを決定し、最も効果的な成果を得るための計画を立てます。

要するに、PPMは企業が持つ製品やサービスのポートフォリオを管理し、成功に導くための戦略的なアプローチです。

詳細:問題児
プロダクトポートフォリオマネジメント 問題児
  • 問題児とは、ポートフォリオ内の製品やサービスのうち、市場での競争力が低く収益性や成長性が懸念されるものを指します。
  • 問題児は、投資や開発の対象としてリスクが高いため、企業が戦略的な判断を下す必要があります。
  • 問題児の製品やサービスに対するアクションは、改善策の検討やリソースの再配分などが含まれます。
詳細:花形
プロダクトポートフォリオマネジメント 花形
  • 花形とは、ポートフォリオ内で優れた成績を収めている製品やサービスを指します。
  • 花形は市場での需要が高く収益性や成長性が期待されるため、企業の主要な成長ドライバーとなります。
  • 企業は花形製品やサービスに重点を置き、市場展開や投資を積極的に行います。
詳細:負け犬
プロダクトポートフォリオマネジメント 負け犬
  • 負け犬とは、ポートフォリオ内で成績が低く、市場での競争力が低い製品やサービスを指します。
  • 負け犬は収益性や成長性が限られているため、企業が取るべきアクションは、改善策の検討や撤退戦略の検討などが含まれます。
  • 負け犬を適切に管理することが、企業のポートフォリオの健全性を維持する上で重要です。
詳細:金のなる木
プロダクトポートフォリオマネジメント 金のなる木
  • 金のなる木とは、ポートフォリオ内で特に高い収益性や成長性を持ち、持続的な利益をもたらす製品やサービスを指します。
  • 金のなる木は企業の主要な収益源であり、企業はこれらの製品やサービスの保護と成長を重視します。
  • 金のなる木を育てるためには、投資や開発に重点を置くことが必要です。

おわりに

今回は、応用情報のストラテジ系対策として
アンゾフの成長マトリクス
バランススコアカード(BSC)
・バリューチェーン分析
・ファイブフォース分析
・プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)について学習してきました。

ストラテジ系はIT以外にも、投資や企業などのビジネススキルの向上に役立つので試験が終わってからもぜひ、活用していってください!

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