はじめに
ここでは、応用情報技術者試験対策として、TLSアクセラレータを中心に学習していきます!また、TLSアクセラレータの関連用語も同時に学ぶことでより理解度を簡単に深めていきましょう!
【今回扱う用語】
*括弧内は何に役立つかを表しています
- TLSアクセラレータ(処理速度の向上&負荷分散&セキュリティの向上&コスト削減&セッション管理の簡素化)
- SSL/TLSプロトコル(通信の暗号化&データの完全性の確保&サーバーの認証&信頼性の向上)
- ハンドシェイク(セキュリティ確保&身元確認&通信の完全性確保&暗号鍵の交換&プロトコルの選択)
- SSL/TLSオフロード(処理速度の向上&負荷分散&セキュリティの向上&コスト削減&外部委託)
- セッション再利用(通信効率・ユーザーエクスペリエンスの向上&サーバー負荷軽減&通信安全性の維持)
TLSアクセラレータ
- TLSアクセラレータは、ネットワーク通信におけるセキュリティを高速化するための装置です。
- TLS(Transport Layer Security)は、ウェブサイトやアプリなどの通信を暗号化し、データの安全性を保護するためのプロトコルです。通常、サーバーとクライアント間の通信を暗号化するために使用されます。
- TLSアクセラレータは、通信を暗号化する処理を高速化し、通信の遅延を最小限に抑える役割を果たします。これにより、ウェブサーバーやアプリケーションサーバーなどの通信速度が向上し、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。
- 具体的には、TLSアクセラレータは、暗号化や復号化の計算を専用のハードウェアや高速なアルゴリズムで行うことで、通信速度を向上させます。これにより、大量のデータを安全に送受信するためのインターネット通信がスムーズに行われるようになります。
つまり簡単に言うと、TLSアクセラレータは、ネットワーク通信の安全性と速度を両立させるための技術であり、ウェブサービスやアプリケーションのセキュリティを強化し、ユーザーエクスペリエンスを向上させる役割を果たしています。
SSL/TLSプロトコル
- SSL/TLSプロトコルはSSL(Secure Sockets Layer)プロトコルとTLS(Transport Layer Security)プロトコルを合体させたプロトコル
- SSL/TLSプロトコルは、ウェブサイトやアプリなどの通信を安全にするためのプロトコルです。
- SSL/TLSプロトコルは、通信の内容を暗号化します。これにより、通信している二者の間でやり取りされるデータが外部の人に見られないように保護されます。
- SSL/TLSプロトコルは、通信相手が本物であることを確認するための手段(認証)を提供します。これにより、偽のウェブサイトやアプリからの攻撃を防ぎます。
- SSL/TLSプロトコルは、通信データが途中で改ざんされていないことを確認します。これにより、データが送信元から受信先に届くまで変更されないことを保証します。
SSL/TLSプロトコルは、インターネット上の通信において広く使用されており、ウェブブラウザや電子メール、オンラインショッピングなど、様々なサービスでセキュリティを確保するために利用されています。
ハンドシェイク
- ハンドシェイクは、通信相手同士が通信を始める前に行うやり取りのことです。このやり取りによって、通信の確立やセキュリティの確認が行われます。
【ハンドシェイクの流れ】
では、ハンドシェイクの流れを、ウェブブラウザとウェブサーバーの間での通信を例に紹介していきます。(赤はクライアントの行動・青は緑はサーバの行動を表します)
- クライアント(ブラウザ)がサーバーに接続要求します。
- サーバーは、クライアントに自分の証明書を送信します。この証明書には、サーバーの身元情報や公開鍵が含まれています。
- クライアントは、サーバーの証明書を検証します。証明書が信頼できる認証局によって署名されているかどうかや、証明書の有効期限などを確認します。
- クライアントは、サーバーの公開鍵を使って共通鍵を生成し、サーバーに送信します。
- サーバーは、クライアントから送られてきた共通鍵を使って暗号化された情報を解読し、共通鍵を受け取ります。
- 以降の通信は、クライアントとサーバーの間で共通鍵を使って暗号化されます。
このように、ハンドシェイクの過程で通信相手の認証やセキュリティの確認が行われ、安全な通信の確立が行われます。
p.s.赤と青で目がチカチカしたらごめんね(笑)
SSL/TLSオフロード
SSL/TLSオフロードは、ウェブサーバーなどのネットワーク装置が、SSL/TLSと呼ばれるセキュリティプロトコルの処理を外部に委託することを指します。
【なぜ外部に委託するのか】
通常、ウェブサーバーはSSL/TLS通信の暗号化や復号化、認証などの処理を行いますが、これらの処理はCPUやメモリなどのリソースを多く消費します。そのため、大量のSSL/TLS通信を処理する場合や高いセキュリティレベルが求められる場合には、サーバーの性能が制限されることがあります。
SSL/TLSオフロードは、これらの負荷を軽減するために、専用のハードウェアやアプライアンスなどを使用してSSL/TLS処理を外部に移譲できます。これにより、サーバーのリソースを解放し、パフォーマンスの向上や負荷の分散が可能になります。
つまり簡単に言うと、SSL/TLSオフロードは、ウェブサーバーの負荷を軽減し、セキュリティを向上させるために、専用の装置やハードウェアを使ってSSL/TLS通信の処理を効率化する技術です。
p.s.大量の通信や高いセキュリティレベルが求められる時に有効な手段。それがSSL/TLSオフロード!
セッション再利用
セッション再利用は、ウェブサーバーとウェブブラウザーの間で行われる通信の中で、以前の通信セッションで生成されたセキュリティ情報を再利用することを指します。
- SSL/TLSプロトコルにおいて、サーバーとクライアント間で行われるハンドシェイクプロセスでセキュリティ情報が交換されます。この際、クライアントがサーバーによって発行されたセッションキーを保持し、同じサーバーへの次の通信で再利用することができます。
セッション再利用により、通信の開始時に新しいセッションキーを生成する手間や計算コストを節約することができます。これにより、通信の高速化やサーバーの負荷軽減が可能になります。
つまり簡単に言うと、セッション再利用は、ウェブサーバーとウェブブラウザーの間で安全に情報をやり取りする際に、以前の通信で生成されたセキュリティ情報を再利用して、効率的に通信を行う仕組みです。
まとめ
- TLSアクセラレータ:SSL/TLS通信の暗号化および復号化の処理速度を高速化するための専用の装置
- SSL/TLSプロトコル:認証や暗号化機能を提供→「なりすまし」や「盗聴」防止に役立つ
- ハンドシェイク:通信の確立やセキュリティの確認が行える
- SSL/TLSオフロード:通信の暗号化および復号化だけでなく、負荷分散やセキュリティ機能の提供など、より幅広い機能を提供するためのソリューション
- セッション再利用:以前に生成されたセキュリティ情報を再利用することで効率化と負荷軽減を実現
おわりに
今回は、TLSアクセラレータ、SSL/TLSプロトコル、ハンドシェイク、SSL/TLSオフロード、セッション再利用の5つを学習してきました。こーゆー、サーバー系の知識って応用情報の中でも特にカッコいいですよね。なんかITっぽいって思っちゃいます。
あなたはどんな分野がITっぽいって感じますか?やっぱりカッコいいって思った方が勉強にも精がでるってもんです。おっと…終わりなのにこんな長々とつづってしまった。蛇足にならないうちに、今回はここでお別れにしましょう!では、さらばじゃ!
p.s.知識系の概念で「かっこいい」は聞くけど「かわいい」って聞きませんよね。もし、「かわいい」があるとしたらどんな知識概念何でしょうね。
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