IT初心者必見!MIPS、CPI、クロック周波数と平均命令実行時間の基礎を超わかりやすく

CPU性能

はじめに

コンピュータの性能を評価する指標にはさまざまなものがあります。平均命令実行時間、クロック周波数、CPI(サイクル・パー・インストラクション)、クロック時間、MIPS(毎秒実行命令数)といった用語は、特にIT業界では頻繁に耳にするものです。しかし、これらの用語が具体的に何を意味し、どのように計算されるのかを理解している人は意外と少ないのではないでしょうか?この記事では、応用情報技術者試験にも出題されるこれらの指標について、初心者にもわかりやすく丁寧に解説していきます。理解を深めることで、試験対策はもちろん、実務においてもコンピュータの性能を正しく評価する手助けになるでしょう。それでは、一緒に見ていきましょう。

【ここで扱う疑問】

  1. 平均命令実行時間ってなに?
  2. クロック周波数ってなに?
  3. CPIってなに?
  4. クロック時間ってなに?
  5. MIPSってなに?

平均命令実行時間ってなに?

クエスチョン

平均命令実行時間(Average Instruction Execution Time)とは、命令を実行するのにかかる平均的な時間を示します。これは、コンピュータの性能を評価するための基本的な指標の一つであり、以下の式で求めることができます:

平均命令実行時間の公式

$$\text{平均命令実行時間} = \frac{\text{CPI}}{\text{クロック周波数}}$$

クロックサイクル数:命令が実行されるのに必要なクロックサイクルの数

クロック周波数:CPUの動作周波数を示します。

平均命令実行時間の例題

例題1

問題設定

  • クロック周波数:3.0GHz
  • CPI(Cycles Per Instruction):2.5

計算方法

平均命令実行時間の計算式は以下の通りです:

$$\text{平均命令実行時間} = \frac{\text{CPI}}{\text{クロック周波数}}$$

この式に値を代入します:

$$\text{平均命令実行時間} = \frac{\text{2.5}}{\text{3.0} \times 10^9}≈\text{0.83} \times 10^9秒$$

$$\text{0.83} \times 10^9秒≈0.83ナノ秒$$

解説

この結果は、1命令の実行に平均して0.83ナノ秒がかかることを示しています。CPIが2.5であり、クロック周波数が3.0GHz(1秒間に30億回のクロックサイクル)であるため、この値が導き出されます。

例題2

問題設定

  • クロック周波数:4.0GHz
  • CPI(Cycles Per Instruction):2.0

計算方法

クロック周波数をHzに変換します。4.0GHzは4.0×10^9 Hzです。同様に平均命令実行時間を計算します:

計算を行うと:

$$\text{平均命令実行時間} = \frac{\text{2.0}}{\text{4.0} \times 10^9}=\text{0.5} \times 10^9秒$$

$$\text{0.5} \times 10^9秒=0.5ナノ秒$$

解説

この結果は、1命令の実行に平均して0.83ナノ秒がかかることを示しています。CPIが2.5であり、クロック周波数が3.0GHz(1秒間に30億回のクロックサイクル)であるため、この値が導き出されます。

クロック周波数ってなに?

クエスチョン

クロック周波数(Clock Frequency)とは、CPUが1秒間に実行できるクロックサイクルの数を示します。単位はHz(ヘルツ)で表され、例えば、3GHzのCPUは1秒間に30億回のクロックサイクルを実行できることを意味します。クロック周波数が高いほど、理論上、CPUの処理能力は高くなりますが、実際の性能は他の要因にも依存します。

CPIってなに?

クエスチョン

CPI(Cycles Per Instruction)とは、1つの命令を実行するのに必要なクロックサイクルの平均値を示します。CPIが低いほど、CPUは効率的に命令を処理できることになります。CPIは以下の式で計算されます:

CPIの公式

$$
\text{CPI} = \frac{\text{CPUのクロックサイクル数}}{\text{実行された命令数}}
$$

例えば、1000回の命令を実行するのに5000クロックサイクルがかかった場合、CPIは5(5000÷1000)となります。

CPIの例題

例題1

問題設定

  • 総クロックサイクル数:1,000,000
  • 実行命令数:200,000

計算方法

CPIの計算式は以下の通りです:

$$\text{CPI} = \frac{\text{総クロックサイクル数}}{\text{実行命令数}}$$

この式に値を代入します:

$$\text{CPI} = \frac{\text{1,000,000}}{\text{200,000}}=5$$

解説

この結果は、1つの命令を実行するのに平均して5サイクルがかかることを示しています。CPIが5ということは、命令の処理がそれほど効率的ではないことを意味します。

クロック時間ってなに?

クエスチョン

ロック時間(Clock Cycle Time)とは、1つのクロックサイクルにかかる時間を示します。これはクロック周波数の逆数で求められます:

クロック時間の公式

$$クロック時間 = \frac{1}{\text{クロック周波数}}​$$

例えば、クロック周波数が2GHzのCPUのクロック時間は0.5ナノ秒(ns)となります。

MIPSってなに?

クエスチョン

MIPS(Million Instructions Per Second)とは、CPUが1秒間に実行できる命令の数を百万単位で示す指標です。MIPSの計算方法は以下の通りです:

MIPSの公式

$$\text{MIPS} = \frac{\text{クロック周波数}}{\text{CPI} \times 10^6}$$

例えば、クロック周波数が3GHz、CPIが2のCPUの場合、MIPSは1500となります。

MIPSの例題

例題1

問題設定

  • クロック周波数:2.5GHz
  • CPI(Cycles Per Instruction):2.0

計算方法

まず、クロック周波数をHz(ヘルツ)からサイクル数に変換します。2.5GHzは2.5×10^9 Hzです。MIPSの計算式は以下の通りです:

$$\text{MIPS} = \frac{\text{2.5} \times 10^9}{\text{2.0} \times 10^6}=1250$$

解説

この結果は、このCPUが1秒間に1250万回の命令を実行できることを示しています。CPIが2.0であるため、1命令あたり2サイクルかかりますが、2.5GHzの高いクロック周波数により高いMIPS値が得られます。

例題2

問題設定

  • クロック周波数:3.0GHz
  • CPI:1.5

計算方法

クロック周波数をHzに変換します。3.0GHzは3.0×10^9 Hzです。同様にMIPSを計算します:

$$\text{MIPS} = \frac{\text{3.0} \times 10^9}{\text{1.5} \times 10^6}=2000$$

解説

この場合、MIPSは2000となり、1秒間に2000万回の命令を実行できることを示しています。CPIが1.5と低いため、1命令あたり1.5サイクルしかかからず、高いMIPS値を示しています。

まとめ

今回の記事では、コンピュータの性能評価における基本的な指標について解説しました。平均命令実行時間、クロック周波数、CPI、クロック時間、MIPSの理解は、応用情報技術者試験のみならず、日常のIT業務においても非常に役立ちます。これらの指標を正しく理解し、適切に評価することで、より効率的で効果的なシステムの設計や評価が可能になります。是非、これらの知識を活用して、さらに深い理解と実践に繋げてください。

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