はじめに
本日は、ダークネットについての知識を深めていきましょう!
ダークネットの大枠からはじまり、構造、メリット、リスク、利用例、オニオンルーティング、使っても身元がバレる理由、エグジットノードなどの様々なダークネットに関する重要概念を簡単に理解していきます。では早速やっていきましょう!
ここで扱う疑問
- ダークネットの大枠
- ダークネットの構造
- ダークネットの利用例
- リスクと対策
- ダークネットのメリット
- オニオンルーティングにおける『剥がす』とは?
- 具体的な通信の流れ:
- ダークネットで身元がバレる原因は?
- エグジットノードでのトラフィックの露出
ダークネットの大枠
ダークネット(Darknet)とは、通常のインターネットとは異なり、特定のプロトコルやソフトウェアを使用してアクセスする、匿名性 やプライバシー保護が強化されたネットワークの一種です。ダークネットは一般の検索エンジンではインデックスされず、特定のソフトウェア(例えばTorやI2P)を使用してアクセスする必要があります。
1. ダークネットの構造と技術的背景
- ネットワークのレイヤー: ダークネットはOSI参照モデルのアプリケーション層(レイヤー7)に位置し、通常のインターネットとは異なる通信プロトコルを利用します。例えば、Tor(The Onion Router)は、複数のノードを経由して通信を行うことでIPアドレスを匿名化し、プライバシーを保護します。
- 匿名性の確保: ダークネットは匿名性を重視しており、通信は複数の暗号化された層を通過します。この仕組みは「オニオンルーティング」と呼ばれ、データが複数のノードを通るたびに、暗号化された層が1つずつ剥がされます。この過程により、最終的なデスティネーション(目的地・送信元)が特定されにくくなります。
*『1つずつ剥がされるのニュアンスが腑に落ちない』っていう場合はこちら⇒
2. ダークネットの利用例
- 合法的な利用: ダークネットは政府の監視を避けたいジャーナリストや活動家が利用することがあります。特に、自由に情報が発信できない国や地域での利用が想定されています。
- 違法な利用: 一方で、ダークネットは違法な取引や犯罪活動の温床となることもあります。例えば、違法薬物の取引や、ハッキングツールの販売などが行われることがあります。
3. リスクと対策
- セキュリティリスク: ダークネットにアクセスすることで、マルウェアやフィッシング攻撃などのリスクが高まる可能性があります。また、匿名性が高いため、犯罪行為に巻き込まれるリスクも存在します。
- 法的リスク: ダークネットの利用は合法であることもありますが、違法行為に関連するサイトにアクセスすることは法的リスクを伴います。これらの行為は、各国の法律により厳しく取り締まられることがあります。
*『法的リスクがあるっていうけど、矛盾してね?だって、ダークネットの特徴は匿名性でしょ。だったら、法を犯してもばれなくね?どーやってバレるの?』という至極まっとうな疑問の回答はこちら⇒
4. ダークネットのメリット
ダークネットのメリットは、追跡が非常に難しいという点です。ただし、「追跡されない」わけではなく、「追跡が困難」という点に注意が必要です。詳細は以下の通りです。
- エグジットノードと平文化のリスク:
- エグジットノードを通過するとき、確かに通信内容は平文になります。しかし、平文になるのは通信内容だけであり、送信元のIPアドレスはTorネットワーク内で隠されています。
- エグジットノード: Torネットワークから外部の通常のインターネットに出る際の最後のノードです。ここで、暗号化が解除され、通常のインターネットにデータが送信されます。
- 送信元のIPアドレスがエグジットノードで平文化されることはありません。したがって、エグジットノードを通じて追跡されるリスクはありますが、それでもIPアドレス自体が漏れるわけではなく、追跡は非常に困難です。ーー
- リクエストとレスポンスの対応付け:
- Torネットワーク内でのリクエストとレスポンスは、セッションIDや一時的なキーを使って管理されています。これにより、各ノードが送信元や送信先のIPアドレスを知ることなく、通信が成立します。
- 通信は、リクエストが通過したルートを逆順にたどることでレスポンスを返します。この過程では、各ノードが次のノードにデータを渡すだけでよいため、追跡が困難であり、匿名性が保たれます。
- まとめ:
- ダークネットの大きなメリットは、追跡が非常に困難であり、匿名性が高いことです。
- エグジットノードのリスク: 通信内容が平文になることがリスクですが、IPアドレスは依然として隠されています。
- リクエストとレスポンスの管理: Tor内部でのセッション管理により、各ノードがIPアドレスを知らなくても通信が成立し、追跡が困難になります。
オニオンルーティングにおける『剥がす』とは?
『ノードを通るたびに暗号化を剥がす』というニュアンスについて、理解していきましょう!
では、まずはオニオンルーティングの通信の流れを見ていきましょう!
通信の流れ:
- 暗号化の重ね合わせ:
- データ(例えば、あなたがアクセスしたいウェブサイトへのリクエスト)は、送信される前に最初に何重にも暗号化されます。これは玉ねぎの皮を重ねるようなイメージです。
- それぞれの暗号化層は、次に通る「ノード」(中継サーバー)のために設計されています。例えば、最初のノードのための暗号化層、次のノードのための暗号化層、というように順に重ねられます。
- ノードを通過するたびに「剥がされる」:
- データが最初のノードに到達すると、そのノードは自分に向けて暗号化された層を「剥がし」、次のノードに渡すためのデータ(まだ暗号化されている部分)を得ます。
- これが繰り返され、各ノードでそのノード専用の暗号化層が剥がされ、最終的に目的地(ディスティネーション)に到達したときには、全ての暗号化が解除されている状態となります。
「剥がされる」というのは、各ノードがそのノードに割り当てられた部分の暗号化を解除(解読)するプロセスを意味します。この仕組みにより、途中のどのノードも、データの最初の送信者や最終的な目的地(ディスティネーション)を完全に知ることができないのです。
ダークネットで身元がバレる原因は?
ダークネットは、確かに匿名性を提供するために設計されていますが、完全に匿名であるとは限りません。以下の理由から、法的リスクが存在するのです。
エグジットノードでのトラフィックの露出
- エグジットノード: Torネットワークから外部の通常のインターネットに出る際の最後のノードです。ここで、暗号化が解除され、通常のインターネットにデータが送信されます。
- 問題は、エグジットノードではデータが平文(暗号化されていない状態)になるため、そこで通信内容が監視される可能性があります。もし不正なアクセスや違法行為が行われていれば、その通信の内容が記録される可能性があり、追跡されることもあります。
エグジットノードを通らなければ(=インターネット上にでない)、匿名性が大幅に下がることはないということです。
まとめ
要するに…
ダークネットでは、TORのような専用のソフトウェアを使って、通常のインターネットとは異なる匿名性を高めた通信が行われます。データは、出発前に三重に暗号化され、各ノードを通過するたびに一つずつ暗号化が解除されます。このため、各ノードは全体のルーティングを知る必要がなく、追跡されにくくなります。ただし、エグジットノードを通過する際には、データが平文となり、そのため通信内容が漏れるリスクがあります。しかし、送信元のIPアドレスは知られないため、直接的に追跡されるリスクは低いです。また、レスポンスはリクエストの逆順をたどって戻るため、各ノードがIPアドレスを知る必要はなく、匿名性が保たれます。
おわりに
本日はここまでです。今日はダークネットをマスターしました!
全体を一気にまとめてやろうとするより、今回みたいに一つに絞って1つずつ着実に勉強していく方が頭に残りやすいです。
何事も継続は力なりですから、焦らず一歩ずつ着実に進んでいきましょう!それを続けていけば気づいた時には、ものすごいスペシャリストになっているはずです!では、さらばじゃ!