はじめに
ITの勉強において、やっぱり全範囲を網羅的に勉強しようと思ってもなかなか、先輩・上司に追いつき追い抜くことって時間がかかるものです。そのせいでモチベーション下がったり……
だったら、1つのことに1点集中して『これに関しては同レベルor自分の方が上だ!』と思える領域を少しずつ作っていきましょう!それを続けていけば、どんどんどんどん勝てる領域が多くなり、気づいたら自分が行きたい未来に辿りつきます!
じゃあ今日は、「SSL-VPN」について教えてください。全然イメージできなくてショックを受けました。みんなはこれを説明できる??
なので、今日はこれを教えてください!
了解じゃ!一言で言うと
『SSL-VPNとは、特別なソフトウェアが不要で、ブラウザだけで簡単にVPN接続できる技術』じゃ!では、ネスペ合格レベルを目指す方は以下で詳しく見ていくぞ!
基本知識
SSL-VPN(Secure Sockets Layer Virtual Private Network)は、インターネット上で安全にリモートアクセスを提供する技術です。SSLというプロトコルを用いて、ユーザーがWebブラウザや専用クライアントを通じて安全に企業や組織の内部ネットワークにアクセスすることができます。現在、SSLの後継プロトコルであるTLS(Transport Layer Security)が一般的に利用されていますが、SSL-VPNという名称は慣習的に使われています。
では、まずはSSLとVPNに分けて基本知識を抑えていくぞ!
SSL(TLS)とは..
SSL/TLSは、以下の3つの主要なセキュリティ機能を提供します:
- 通信の暗号化:インターネット上の通信データを暗号化して、第三者による盗聴を防ぎます。
- データの改ざん防止:送信されたデータが改ざんされていないことを確認します(整合性の保証)。
- 相互認証:クライアントとサーバーの双方が正当な相手であるかどうかを確認します。
VPNとは..
VPN(Virtual Private Network)は、仮想的なプライベートネットワークを公共ネットワーク(インターネット)上に構築する技術です。SSL-VPNの場合、SSL/TLSプロトコルを使用して、安全な「トンネル」を形成します。このトンネルを通じてデータが暗号化され、盗聴や改ざんが防止されます。トンネリングは、VPNの中心的な技術で、データパケットを暗号化しながら送信するための「秘密の通路」を作る仕組みです。
SSL-VPNの手順
SSL-VPNの接続~通信終了までの手順を教えてください!
1. ブラウザからVPNサーバにアクセス
2. SSL/TLSハンドシェイク
3. 認証(ユーザ認証)
4. 通信
5. 終了(セッション鍵の無効化)
このような流れが一般的じゃな。では、詳しく見ていこう!
1. 接続開始(クライアントからの要求)
SSL-VPNでは、ユーザーがクライアントデバイス(例:PC、スマホなど)からWebブラウザや専用のSSL-VPNクライアントソフトを使って、VPNサーバーにアクセスを試みます。ここで、HTTPSを使って通信するため、最初の要求は「https://」で始まります。
2. SSL/TLSハンドシェイク
VPNサーバーとクライアントは、まず「SSL/TLSハンドシェイク」というプロセスを行い、セキュリティ保護の準備を整えます。この手順では、暗号化のための共通鍵(セッション鍵)を安全に交換し、どの暗号化方式を使用するかを決定します。
SSL/TLSハンドシェイクの具体的な手順:
- クライアントHello:
- クライアントがVPNサーバーに接続要求を送信し、サポートしている暗号化アルゴリズムのリストを提示します。
- また、クライアントはランダムなデータ(ランダム値)も送信します。
- サーバーHello:
- VPNサーバーは、クライアントから提示されたリストから使用する暗号化方式(例:AES, RSA, TLSバージョンなど)を選び、サーバーの証明書(デジタル証明書)をクライアントに送ります。この証明書には、サーバーの公開鍵も含まれています。
- サーバーも自身のランダム値を送信します。
- 証明書の検証:
- クライアントは、サーバーから送られた証明書を検証します。この証明書が信頼できる認証局(CA)によって発行されているかどうかを確認し、正当なサーバーであることを確認します。
- プレマスターシークレットの生成と共有:
- クライアントはサーバーの公開鍵を使ってプレマスターシークレット(通信に使う鍵の元となる情報)を暗号化し、サーバーに送ります。これにより、サーバーとクライアント間で共通の暗号鍵が生成されます(この鍵はセッション鍵とも呼ばれます)。
- プレマスターシークレットはサーバーの公開鍵で暗号化されているため、サーバー側しか復号できません。
- セッション鍵の生成:
- クライアントとサーバーは、それぞれ自分の持つランダム値とプレマスターシークレットを使って、実際の通信で使うセッション鍵を生成します。この鍵を使って、今後の通信が暗号化されます。
- ハンドシェイク完了:
- 最後に、クライアントとサーバーが「ハンドシェイクが正しく完了した」という確認メッセージを送り合います。
- これで、SSL/TLSハンドシェイクが完了し、暗号化通信の準備が整いました。
3. 認証プロセス
ハンドシェイクが完了した後、次にクライアントとサーバーの双方で認証が行われます。ここでは、接続しようとしているユーザーが正当な権限を持っているかを確認するために、次の手順を踏むことが一般的です。
SSL/TLSハンドシェイクの一部として認証機能を利用します。しかし、ハンドシェイクの後にする認証は対象範囲が違います。
- SSL/TLSハンドシェイク内の認証: クライアントがサーバーの信頼性(身元)を確認するためのプロセスです(サーバー証明書の検証)。
- ハンドシェイク後の認証: クライアントがそのサーバーにあるリソースにアクセスする権限を持っているかどうかを確認するプロセスです(ユーザー認証)。
という感じです。
認証の方法:
- ユーザー認証:
- 一般的に、クライアントはユーザーIDとパスワードを使って認証を行います。これに加え、ワンタイムパスワード(OTP)やデジタル証明書などを使うこともあります。
- サーバー側の認証:
- サーバー側もクライアントの証明書(クライアント証明書)をチェックすることで、クライアントが信頼できるデバイスかどうかを確認することが可能です。この方法を使うと、デバイス認証も加わり、さらに安全性が向上します。
4. データ通信(暗号化通信の開始)
認証が完了すると、クライアントとサーバーの間で暗号化された通信が始まります。この通信では、SSL/TLSで設定されたセッション鍵を使い、すべてのデータが暗号化されます。暗号化されたデータは、インターネット上を安全に通過し、第三者が傍受しても内容を読み取れないようになっています。
- すべての通信データは対称暗号方式(例:AES)によって暗号化され、パケットごとに改ざんがないかどうかをチェックする仕組みも組み込まれています(MAC: Message Authentication Code)。
5. セッションの終了
通信が終わると、セッションを終了するプロセスが行われます。この時、クライアントとサーバーはお互いに「セッション終了」のメッセージを送り合います。セッションが終了すると、セッション鍵は無効化され、以後の通信には使えなくなります。
- これにより、同じセッション鍵が繰り返し使われることなく、セキュリティが保たれます。
SSL-VPNのメリット・デメリット
では、SSL-VPNの長所と短所を見ていこう!
了解です!
メリット:
- ブラウザから利用可能: SSL-VPNは通常、Webブラウザを通じて利用可能で、専用のVPNクライアントソフトをインストールする必要がありません。これにより、ユーザーの利便性が向上します。
- 広範なファイアウォールの回避性: SSLは、HTTPSとして広く使用されているため、SSL VPNは多くのネットワーク環境でファイアウォールやNAT(ネットワークアドレス変換)を通過しやすいという利点があります。多くのネットワークでポート443(HTTPSポート)が許可されているため、SSL-VPNはブロックされにくいです。
他のVPN(IPsecなど)は特殊なポートやプロトコルを使うため、ファイアウォールでブロックされたり、NATの影響を受けて正しく機能しないことなどがあります。しかし、SSL-VPNではそのような制約を受けずに通信することができます。
- 柔軟なアクセス制御: SSL-VPNは、個別のアプリケーションやサービスごとにアクセスを制御できます。特定のリソースへのアクセスを制限したり、特定の機能を提供することが可能です。
デメリット:
- 高度なネットワーク機能に制限: SSL-VPNは、トラフィックをすべて暗号化するものの、レイヤー2やレイヤー3の高度なネットワークプロトコル(例:IPSec VPNでサポートされるようなプロトコル)を完全にサポートしない場合があります。これは、非常に特定のネットワーク設定が必要な環境では制限となることがあります。
- スループットの低下: SSL/TLS暗号化のため、暗号化/復号化処理が行われる際に、通常の通信よりも若干のスループット低下が発生する可能性があります。
まとめ
要するに…
SSL-VPNは、インターネット上で安全な通信を実現する技術の一つで、主にブラウザを利用してアクセスできるのが特徴です。SSL(Secure Sockets Layer)やその後継技術であるTLS(Transport Layer Security)を用いて、通信を暗号化し、データの改ざんや盗聴を防ぎます。SSLはもともとウェブサイトの安全な接続に使用され、HTTPSで通信する際に使われていることが多いです。SSL-VPNでは、HTTPS通信と同じポート443を使うことで、NATやファイアウォールを越えやすく、特別なVPNソフトウェアをインストールせずとも、ブラウザさえあれば簡単にVPN接続ができるというメリットがあります。
SSL-VPNの接続手順としては、まずクライアントがブラウザを通してVPNサーバーにアクセスし、その後SSL/TLSハンドシェイクを行います。このハンドシェイクの過程では、クライアントがサーバーに対して接続要求を行い、サーバー側が対応する暗号化方式を決定します。この際、サーバーはデジタル証明書(公開鍵を含む)をクライアントに送信し、クライアントはその証明書を検証することで、サーバーが信頼できるものであることを確認します。このプロセスは、サーバー認証としてSSL/TLSハンドシェイクの中で行われる重要な部分です。
次に、クライアントはサーバーの公開鍵を使ってプレマスターシークレットを暗号化し、それをサーバーに送ります。これにより、クライアントとサーバーは共有のセッション鍵を生成し、このセッション鍵を使って以後の通信を暗号化します。このプロセスが完了すると、SSL/TLSハンドシェイクが終了し、安全な通信が確立されます。
ただし、SSL VPNの場合、SSL/TLSハンドシェイクが終わった後にもう一つの認証プロセスが行われることがあります。これは、クライアントが実際にそのサーバー上のリソースにアクセスする権限を持っているかどうかを確認するための追加の認証です。通常、この認証はIDとパスワード、あるいは2要素認証などを使って行われ、クライアントが正当なユーザーであることを確認します。この追加の認証プロセスは、SSL/TLSハンドシェイクの後に行われるもので、SSL-VPNに特有の要素です。
一方で、SSL-VPNがNATやファイアウォールを超えやすい理由として、HTTPS通信を使用する点が挙げられます。IPsec-VPNのような他のVPNプロトコルでは、特定のポートや複雑な設定が必要で、ファイアウォールやNATによって通信がブロックされることが多いです。しかし、SSL-VPNはポート443を使用し、Webアクセスに必要な基本的な通信ポートを使うため、ファイアウォールの制限を受けにくく、NAT越えも容易に行うことができます。
つまり、SSL/TLSハンドシェイクの中で行われるサーバー認証によって、サーバーの信頼性を確認し、セッション鍵を使った暗号化通信を確立します。その後に行われる追加の認証では、ユーザーがそのサーバーやリソースにアクセスする正当な権限を持っているかどうかを確認するプロセスが行われます。これらのプロセスによって、SSL-VPNは安全かつ効率的にインターネット上での通信を保護します。
以上の内容を踏まえると、SSL-VPNの仕組みは高度なセキュリティを実現しつつ、柔軟で使いやすいVPN接続を提供するため、企業や個人のリモートアクセスに広く利用されています。また、NATやファイアウォールを超える能力があるため、ネットワーク環境に関わらず、安定した接続が可能です。これがSSL-VPNの強みであり、多くの環境で支持されている理由です。
おわりに
本日は『SSL-VPN』について知見を深まりました!
やはり、知識をつけることは大切じゃからのぉ。知識があれば大抵のことはできる。逆に知識がなければ、できるもんもできない。これが世の理じゃよ。
でも、焦らず、1つずつ・1っ歩ずつ進んでいくことが大切じゃ!これからも一緒に頑張っていこう!
今日のSeeYouソングも「YOASOBI-アイドル」です。
この曲は「アイドルも完璧じゃないんだから、私たちもありのままの自分で自信を持って生きていこう」というメッセージ性を私は感じます。アイドルがファンに元気や勇気を与えているのと同じように、私たちもそれぞれの場所で、自分なりのやり方で他人を助けたり支えたりすることができるんだという希望を感じさせてくれる曲となっています。では、どうぞ!