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【9秒チャレンジ】
アーランとは単位時間あたりの回線の利用率と考えらればOKです。色々な求め方はありますが、回線がどのくらい使われているかを確率的に考えるとイメージしやすいです。
更に詳しく知りたい場合↓
1. アーランとは
アーラン(Erlang)は、通信ネットワークでのトラフィック量やシステム負荷を示す単位です。
具体的には、一定期間中に、回線やリソースがどれだけ使用されるかを表します。
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色々と公式があるけど、考え方はmm1の利用率と同じです。回線がどれだけ利用されているかを考えれば自ずと答えが見えてきます。
定義
アーランは次の式で表されます:
\(A=λ×H\)
- \(A\): 呼量(アーラン)
- \(λ\): 呼の発生頻度(1秒あたりの呼数 [呼/秒])
- \(H\): 平均保留時間(1回の呼の持続時間 [秒])
例えば、1本の回線が1時間(3600秒)ずっと使われ続けている場合の呼量は「1アーラン」です。
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つまり、1アーランとは利用率が100%と解釈できます。
2. アーランの用途
- ネットワークの設計・運用
- 通信回線やサーバーの必要台数を計算するために使用します。
- トラフィック量を把握することで、適切なリソース配分が可能になります。
- システムの効率分析
- 利用率(回線がどれだけ使用されているかの割合)を算出できます。
- トラフィックが多すぎる場合、追加の回線や帯域幅が必要かどうかを判断できます。
3. 計算の練習
例1: 基本的な呼量の計算
- 条件:180台の電話機
- 1台あたりの呼の発生頻度:3分に1回
- 平均保留時間:80秒
ステップ1:呼び出される確率を求める
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考え方はシンプルです。3分に1回ということは180秒で1回の確率で呼び出されるということです。つまり\(\frac{1}{180}\)の確率で呼び出されるということです。
ステップ2:1台当たりの呼量を求める
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1回の使用時間が80秒。つまり、\(\frac{1}{180}\)の確率で80秒使われるということ。計算すると、\(\frac{1}{180}×80\)になります。これで1台当たりの呼量が求まります。
ステップ3:全体の呼量
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ここまでの情報は「1回の使用時間が80秒。1回呼び出される確率が\(\frac{1}{180}\)」です。そして新たに追加されるのが、それと同じ仕様の機会が180台あるということです。つまり、\(\frac{1}{180}\)の確率で80秒使い、それが180台あるということです。計算すると、\(\frac{1}{180}×80秒×180台\)になります。
結果: 全体の呼量は 80アーラン。
例2: 逆算問題
200台の電話機で、全体呼量が100アーラン、平均保留時間が90秒。1台あたりの呼の発生頻度を求める。(答え方は○○分に1回)
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結果: 3分に1回。
例題3: 基本問題
100台の電話機があり、1台あたりの呼の発生頻度が2分に1回、平均保留時間が90秒。このとき呼量は何アーランか?
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答え: 75アーラン
問題4: 逆算問題
200台の電話機で、全体呼量が72アーラン、平均保留時間が120秒。このとき1台あたりの呼の発生頻度を秒単位で求めよ。
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答え: \(\frac{1}{333}\)
問題5: 応用問題
300台の電話機で、20%のユーザーが特定の時間帯に電話を使用しない場合、1台あたりの呼の発生頻度が2分に1回、平均保留時間が60秒のとき、実質的な全体の呼量を求めよ。
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答え: 80アーラン
まとめ
アーランは、通信ネットワークの設計や運用に欠かせない単位です。ネットワークスペシャリスト試験では、トラフィック理論に基づく計算問題が多く出題されるため、以下を確実に理解することが重要です:
- 基本公式の活用方法
- 単位変換(分→秒、秒→分)
- 逆算や応用問題への対応
これらを繰り返し練習することで、試験問題にも確実に対応できる力がつきます!