はじめに
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【9秒チャレンジ】
パッシブインターフェースは、ネイバー関係を確立しないが、LSAは交換する設定です。これにより、余計なトラフィックや管理の負担を削減しつつ、ネットワーク全体での経路情報の共有は維持できます。ただし、リアルタイムで直接の障害検知はできないため、補完的な監視手段が必要です。
では、練習問題を通して実感していきましょう!
問題
次のネットワークにおいて、ルーターR1、R2、R3は全てOSPFを使用してルーティングしています。R1はR2とR3の両方とOSPFネイバーを確立していますが、R1はR2とのインターフェースにおいてパッシブインターフェースを設定したいと考えています。
ネットワーク構成は以下の通りです。
- R1のインターフェース
GigabitEthernet0/1
はR2と接続 - R1のインターフェース
GigabitEthernet0/2
はR3と接続
R1で「GigabitEthernet0/1」インターフェースをOSPFのパッシブインターフェースに設定する理由として最も適切なものはどれか。
- OSPFのネイバー関係をR2と確立しないため
- OSPFのネイバー関係をR3と確立しないため
- R2とR3にOSPFパケットを送信しないため
- OSPFパケットの送信を抑制するため、ネットワークトラフィックを減少させるため
解答と解説
正解: 1. OSPFのネイバー関係をR2と確立しないため
解説:
OSPFにおける「パッシブインターフェース」は、そのインターフェースを通じてOSPFネイバー関係を確立しないようにする設定です。ただし、パッシブインターフェースに設定しても、そのインターフェースがOSPFのネットワークLSA(Link State Advertisement)を送信することはあります。つまり、パッシブインターフェースはOSPFのネイバー関係を確立しないが、LSAは交換できる状態になります。
- 1番(正解): パッシブインターフェース設定の最も一般的な用途は、OSPFのネイバー関係を確立しないことです。R1がR2とのインターフェースに対してパッシブインターフェースを設定すると、R2とのOSPFネイバーは確立されません。
- 2番: この場合、問題文ではR1がR2とのインターフェースに対して設定を行うことに焦点を当てています。R3とのインターフェースに対しては設定していないため、この選択肢は不正解です。
- 3番: パッシブインターフェースを設定しても、OSPFパケットは送信されませんが、送信しないことが目的ではなく、ネイバー関係を確立しないために設定するものです。
- 4番: ネットワークトラフィックを減少させることはパッシブインターフェース設定の直接的な目的ではありませんが、ネイバー関係を確立しないことでトラフィックの削減が間接的に起こることがあります。
まとめ: OSPFのパッシブインターフェースは、ネイバー関係を確立したくないインターフェースに設定します。設定すると、ネイバー関係が確立されず、そのインターフェースを通じてOSPFのデータ交換は行われませんが、LSAの交換自体は可能です。
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ネイバーを確立しないと...
ネイバーを確立しないと管理するトラフィックは減少しますが、隣接機器の障害検知がリアルタイムで同期できなくなります。
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逆にネイバーを確立すると...
ネイバーを確立すると、HelloパケットやOSPFトラフィックが発生はするものの、リアルタイムで障害を検知できるようになり、より効率的なルーティングが素早く実行できます。