応用情報/対策/財務編】○○回転日数【一瞬で丸分かり!(前編)

○○回転日数

はじめに

今回は、【総資産回転日数棚卸資産回転日数売上債権回転日数在庫回転日数売掛金回転日数】についてやっていきます。次回は支払回転日数、仕入れ債務回転日数、現金回転率、流動比率、固定比率について解説していきます。

ここで取り上げた、指標の知識をつけることで、資産の効率的な活用や経営の健全性を評価し、キャッシュフローを改善する方法を見つけ出せるようになります。是非ひとつ上のキャリアを目指していきましょう!

【今回扱う5つの用語】
()括弧はどのように役立つかを示しています。

  • 総資産回転日数(経営効率の改善や競争力の向上に向けた施策を打つことができる)
  • 棚卸資産回転日数(経営の健全性効率性を評価する上で重要な役割を果たす)
  • 在庫回転日数在庫管理を改善し、キャッシュフローを改善し、経営効率を向上させられる)
  • 売上債権回転日数信用リスクを評価し、適切な対策を講じることができる)
  • 売掛金回転日数信用リスクの管理、資金効率の向上など)

総資産回転日数

総資産回転日数

$$総資産回転日数 = \left( \frac{売上高}{総資産} \right) \times 365$$

  • 総資産回転日数とは、企業が所有している総資産がどれだけ効率的に活用されているかを示す指標です。
  • 企業の総資産がどれだけの日数で回転して利益を生み出しているかを表します。
  • 売上高を総資産で割り、その値に365をかけることで、総資産が1年間で何日で回転しているかを求めます。
  • 総資産回転日数が短いほど→企業の資産が効率的に活用されていると言えます。

総資産:土地、建物、設備、在庫など

ケーススタディ:総資産回転日数

例えばある企業の総資産回転日数が30日の場合、その企業は平均的に1か月で1回、すべての資産を使って商品を作り、それを売って収益を得ていると考えられます。

棚卸資産回転日数

在庫回転日数

$$\text{棚卸資産回転日数} = \frac{\text{売上高}}{\text{平均棚卸資産}}$$

  • 棚卸資産回転日数とは、企業が所有する在庫(棚卸資産)が1年間で何回回転するかを示す指標です。
  • 企業が商品を仕入れてから販売するまでの期間を表します。
  • 在庫の効率的な管理や流通を示す指標であり、短い回転期間は在庫を効率よく回転させていることを意味します。
  • 棚卸資産回転日数が短いほど→在庫の滞留期間が少なくなり、資金を効率的に活用できるため、収益性が向上します。
  • 棚卸資産回転日数が長いほど→在庫が滞留しやすく、資金が固定されてしまうため、経営効率が低下する可能性があります。
ケーススタディ:棚卸資産回転日数

例えば、ある企業の棚卸資産回転日数が30日の場合、その企業は平均的に1か月で在庫を売り切り、新しい在庫を仕入れるサイクルを持っていることを表します。

簡単に言えば、棚卸資産回転日数は企業が商品をどれくらいの速さで売り上げ、新たな在庫を調達しているかを示す指標であり、経営の健全性や効率性を評価する上で重要な役割を果たしています。

在庫回転日数

在庫回転日数

\text{在庫回転日数} = \frac{\text{日数}}{\text{在庫回転率}}

  • 在庫回転日数とは、企業が在庫をどれくらいの速さで売り切るかを示す指標です。
  • 在庫回転日数は、企業が商品や材料を仕入れてから実際に売り上げるまでの時間を示します。
  • 在庫回転日数が短いほど
    • 企業は在庫を効率的に管理しており、商品が滞留せずに早く売り切られています。
    • 企業は在庫を迅速に売り上げることができるため、投資した資金を素早く回収し、再投資することができます。これにより、資金の効率的な活用が実現されます。
  • 在庫回転日数が長いほど→在庫が長期間滞留していることを示し、経営効率の低下を意味します。
ケーススタディ:在庫回転日数

例えばある小売店が100個のTシャツを仕入れたとします。在庫回転日数が30日である場合、この小売店は平均して1日に約3枚のTシャツを売り切る必要があります。

つまり、30日後には100個のTシャツが完売することになります。この場合、在庫回転日数が短いことは、小売店が効率的に在庫を回転させ、商品を早く売り切ることができることを示しています。

簡単に言えば、在庫回転日数は企業が在庫をどれくらいの速さで売り切るかを示す指標であり、経営効率や資金の活用状況を評価する上で重要な役割を果たします。

売上債権回転日数

債権回転日数

$$\text{売上債権回転日数} = \frac{\text{売上債権残高}}{\text{売上高}} \times 365$$

日数で計算するなら↓

$$\text{売掛金回転期間} = \frac{\text{売掛金}}{\left(\frac{\text{年間売上高}}{365}\right)}$$

  • 売上債権回転日数は、企業がお客様から商品やサービスの代金を受け取るまでの平均日数を示す指標です。
  • 売上債権回転日数が短いほど→お金を早く回収できるため、企業は健全なキャッシュフローを維持しやすくなります。
  • 売上債権回転日数が長いほど→企業は売上高を上げているにもかかわらず、お金を回収できていない可能性があります。これは経営効率の低下を示す兆候であります。


売上債権:営業取引によって生じた債権全体(売掛金、受取手形や電子債権など)を指します。

ケーススタディ:売上債権回転日数

企業が商品を販売し、お客様に代金を請求すると、売上債権が生じます。売上債権回転日数が30日であれば、企業はお客様から代金を受け取るのに平均30日かかるということになります。つまり、商品やサービスを提供した後、お金が30日以内に企業に戻ってくると期待されます。

簡単に言えば、売上債権回転日数は企業がお金を受け取るまでの平均日数を示す指標であり、お金の回収スピードや経営効率を評価する上で重要な役割を果たしています。

売掛金回転日数

売掛金回転日数

$$\text{売掛金回転期間} = \frac{\text{売掛金}}{\left(\frac{\text{年間売上高}}{365}\right)}$$

  • 売掛金回転日数は、企業が売り上げた商品やサービスに対する代金を受け取るまでの平均日数を示す指標です。
  • 売上債権回転日数の範囲を売掛金に限定した指標。
  • 売掛金回転日数企業が商品やサービスを提供した後、お客様から売掛金を回収するまでの時間
  • 売掛金回転日数が短いほど
    • 企業は効率的に売上金を回収し、資金を効果的に活用できます。
    • 企業は資金を迅速に回収し、キャッシュフローを改善することができます。これにより、企業は支払い期日に間に合わせることができ、経営の安定性が向上します。
  • 売掛金回転日数が長いほど
    • お客様が支払いを遅延している可能性があります。つまり、企業が商品やサービスを提供した後でも、お金が後日に回収されることがあるということです。
    • 企業は資金を回収するまでの期間が長くなります。このことは、企業が資金を適切に活用できていない可能性を示します。
ケーススタディ:売掛金回転日数

例えばある企業が商品を販売して、お客様に商品代金を請求してから、平均して30日以内にそのお金を受け取ることができるとします。これは、お客様が商品を買った後、代金を30日以内に支払うことを意味します。この場合、企業は商品を販売した後に早くお金を受け取ることができ、キャッシュフローが改善されます。また、企業は迅速に売上金を回収し、資金を効率的に活用することができます。これにより、企業は支払い期日に間に合わせることができ、経営の安定性が向上します。

簡単に言えば、売掛金回転日数は企業が売り上げた商品やサービスに対する代金を受け取るまでの平均日数を示す指標であり、お金の受け取りスピードや信用リスク、経営効率などを評価する上で重要な役割を果たします。

売掛金回転日数と売上債権回転日数の違い

売上債権回転日数 売掛金回転日数

売掛金回転日数と売上債権回転日数は、どちらも企業の資金繰りを評価するための重要な指標ですが、それぞれ異なる範囲の債権を対象としています。

  • 売掛金回転日数は、売掛金が計上されてから実際に入金を受けるまでの期間を示します。売掛金は、商品やサービスを提供した後に顧客から受け取る予定の金額(未回収の売上)を指します
  • 売上債権回転日数は、売掛金だけでなく受取手形などの売上債権全体が計上されてから現金化(回収)されるまでの期間を示します。

つまり、売掛金回転日数は売上債権回転日数の一部を示すと言えます。

おわりに

おわりに keep

今回は、【総資産回転日数、棚卸資産回転日数、売上債権回転日数、在庫回転日数、売掛金回転日数】についてやってきました。

この記事があなたの役に立ったなら幸いです。

次回は支払回転日数、仕入れ債務回転日数、現金回転率、流動比率、固定比率について解説しているのでご自由にお使いください。

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