はじめに
今回は、OSI基本参照モデルの第四層を勉強していきます。その中でも特に重要な、トランスポート層、TCP、UDP、ポート番号、エンドツーエンドの計5つをピックアップして解説していきます。また、この解説は初心者から応用情報技術者試験を受けようとする人でも十分理解できるように作られています。
【ここで扱う用語】
- トランスポート層(エンドツーエンド&完全性&信頼性)
- TCP(送信速度制御&再送信&送信元から宛先までサポート)
- UDP(リアルタイム性&信頼性低い&迅速)
- ポート番号(通信を区別・制限・監視&アプリの部屋番号)
- エンドツーエンド(送信元から受信先まで&セキュリティ)
では、早速やっていきましょう!
トランスポート層
- トランスポート層はOSI参照モデルにおける第4層に位置します。
- トランスポート層は、データの転送を確実にするために、エンドツーエンドの通信を管理します。
- トランスポート層に関連する主要なプロトコルとして、TCP(Transmission Control Protocol)とUDP(User Datagram Protocol)があります。
【トランスポート層のイメージ】
トランスポート層はインターネットの配達人のようなものです。データパケット(郵便物)を送信元から宛先まで運び、確実に配達する役割を果たします。そして、もしデータが途中で失われたり、破損したりした場合でも、再送信などの手段を使ってデータの完全性を確保します。
要するにトランスポート層はインターネットの「信頼性を保証する仕組み」です。
【トランスポート層のメリット】
トランスポート層は、データを送信するときに、そのデータが完全に到着し、正しい順序で届くように確認します。
→これは、ウェブサイトを閲覧したり、メッセージを送受信したりするときにとても重要です。例えば、ウェブページを読み込むとき、トランスポート層が正しく機能していれば、ページのすべての部分が欠けることなく正しく表示されます。
TCP(Transmission Control Protocol)
- TCPは、コンピューターネットワークで信頼性の高い通信を提供するプロトコルです。
- TCPはインターネットで情報を安全に送受信する「守護天使」のような存在です。
TCPはウェブブラウジングやファイルのダウンロードなど、信頼性が重要なアプリケーションで広く使用されています。
【TCPのメリット】
- TCPはデータが送信元から宛先まで確実に届くようにします。データが欠落したり、順序が入れ替わったりすることを防ぎます。例えば、友達に手紙を送るとき、手紙が全て届くかどうかを確認するのと同じです。
- TCPデータの送信速度を制御し、ネットワークの混雑を避けます。これにより、通信が効率的に行われます。たとえば、道路が混んでいるとき、車が渋滞しないように速度を調整するのと同じです。
- TCPはデータが破損したり、失われたりした場合に、再送信を行います。これにより、データの完全性を保証します。手紙が届かなかった場合、もう一度送り直すのと同じです。
UDP(User Datagram Protocol)
UDPは、インターネットでの情報の「早配サービス」のようなものです。
- UDPはデータを迅速に送信するためのプロトコルです。手紙を速達で送るようなイメージです。データが迅速に届くことが求められる場面でよく使われます。
- UDPはデータの送受信に必要な情報が少ないため、通信のオーバーヘッドが少なくなります。これにより、通信が効率的に行われます。手紙を書くとき、簡潔に内容を伝えるのと同じです。
- UDPはデータの届けることに関しては信頼性が低いですが、その代わりにリアルタイム性が高くなります。つまり、データの送信が速くても、確実に届くかどうかは保証されません。ただし、速やかにデータを送る必要がある場合に適しています。
【UDPの使い道】
UDPはリアルタイム性が重要なアプリケーションによく使われます。たとえば、ビデオストリーミングやオンラインゲームなどがその例です。このようなアプリケーションでは、速度が重視されるため、信頼性よりも速度を重視することがあります。
ポート番号
- ポート番号は、インターネットでの「アプリケーションの部屋番号」のようなものです。各アプリケーションは、通信する際に自分の部屋番号(ポート番号)を持っています。
- ポート番号は0から65535までの範囲で指定されます。一部のポート番号は予約されており、特定の用途に割り当てられています。
- ポート番号はTCPプロトコルとUDPプロトコルで独立して割り当てられます。同じ番号でも、TCPとUDPで異なる用途に使われることがあります。
- ポート番号はそれぞれ特定のアプリケーションやサービスに関連付けられています。たとえば、ウェブブラウザは通常、TCPポート番号80または443を使用します。
【ポート番号のメリット】
- ポート番号を使うことで、インターネット上で動作するさまざまなアプリケーションを識別できます。たとえば、ウェブブラウザはポート番号80または443を使い、電子メールはポート番号25や587を使います。
- ポート番号を使うことで、複数のアプリケーションが同時に通信しても、それぞれの通信が区別されます。これにより、通信が混乱することなく、正確にデータが届きます。
- ポート番号を使うことで、アプリケーションの通信を制限したり監視したりすることができます。これにより、不正なアクセスや攻撃からシステムを守ることができます。
エンドツーエンド
- エンドツーエンドとは、コンピューターネットワークで通信するデータが、送信元から受信先まで直接的にやり取りされることを指します。
- エンドツーエンドでは、データが送信元から受信先まで直接的にやり取りされるため、通信の遅延や障害が最小限に抑えられます。手紙を直接渡すのと同じです。
- エンドツーエンド通信では、データが通信する二者間でのみ共有されるため、プライバシーが守られ、セキュリティが強化されます。手紙が友達同士の間で行き来するのと同じです。
【エンドツーエンドのイメージ】
エンドツーエンドは友達同士が手紙を直接やり取りすることに似ています。手紙を書いたり読んだりするのは友達同士であり、郵便局や郵便配達員などの中間者は関与しません。
おわりに
今回は、OSI基本参照モデルの第4層を取り上げました。その中でもトランスポート層、TCP、UDP、ポート番号、エンドツーエンドの計5つをピックアップして解説しました。どれも重要な用語なのでしっかりと理解できるようにしておきましょう!
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