はじめに
今回はIT分野における基本の「き」というくらい大切なOSI基本参照モデルについてやっていきます。そしてその中でも、第3層にフォーカスを当てていきます。
【ここで扱う用語】
- ネットワーク層(IPアドレス&非接続型通信&サブネット化&パケット)
- IPアドレス(デバイス識別&IPv4&IPv6)
- ルータ(異なるネットワーク間接続&トラフィック管理&セキュリティ強化)
- ルーティング(最適な回路&柔軟性&冗長性)
- サブネットマスク(セグメント化)
ネットワーク層
- ネットワーク層は、OSI基本参照モデルの第三層に位置し、異なるネットワーク間のデータ転送を制御します。
- ネットワーク層は、データの送信経路を決定するためのルーティング機能を提供します。これにより、データが送信元から宛先まで効率的に転送されます。
- ネットワーク層では、デバイスを識別するためのIPアドレスが使用されます。IPv4やIPv6などのプロトコルがこの役割を担います。
- ネットワーク層は、データをパケットして扱う(データリンクはフレーム)
- ネットワーク層では、大きなネットワークを複数の小さな部分に分割するサブネット化が行われます。これにより、トラフィックの制御や管理が容易になります。
- ネットワーク層は、非接続型通信を行います。つまり、通信の確立や維持のための手順はありません。
- ネットワーク層では、パケットが到達することが保証されません。したがって、パケットが喪失する可能性があります(パケットロス)。
では、以降から具体的な用語の意味を見ていきましょう!
IPアドレス
- IPアドレスは、コンピューターネットワーク上でデバイスを識別するための一意の番号です。
- IPアドレスは、ネットワークアドレス部とホストアドレス部から構成されます。これにより、ネットワークの階層構造を反映し、ネットワークを効率的に管理することができます。
- IPアドレスは、IPv4とIPv6の2つのバージョンがあります。IPv4は32ビットのアドレス空間を持ち、IPv6は128ビットのアドレス空間を持ちます。IPv6はIPv4のアドレス枯渇問題を解決するために導入されました。
- IPアドレスはネットワーク上のデバイスを一意に識別するため、IPアドレススプーフィングやDoS攻撃などのセキュリティリスクがあります。
【IPアドレスのメリット】
- デバイス識別: IPアドレスは、ネットワーク上の各デバイスを一意に識別するための手段です。これにより、デバイス同士が通信を行う際に正確な宛先を指定できます。
- ルーティング: IPアドレスを使用することで、パケットを適切な経路に転送することが可能になります。ルータは、IPアドレスを参照してパケットを送信先にルーティングし、データの効率的な転送を実現します。
- IPアドレスを使用することで、世界中の異なるネットワーク間で通信を行うことが可能になります。これにより、インターネットを通じて世界中のデバイスとコミュニケーションを取ることができます。
- DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)などのプロトコルを使用して、IPアドレスを動的に割り当てることができます。これにより、ネットワーク上のデバイスの管理や変更が容易になります。
IPアドレスの利用により、ネットワークの効率的な通信や管理が可能になります。また、グローバルなコミュニケーションを実現し、インターネットを通じて世界中のデバイスと接続することができます。
ルータ
- ルータは、コンピューターネットワーク上でデータのパケットを転送するためのデバイスであり、OSI基本参照モデルの第三層(ネットワーク層)で動作します。
- ルータは、ネットワーク上のデータのパケットを受け取り、適切な宛先に転送する役割を担います。これにより、異なるネットワーク間での通信を実現します。
- ルータは、データの転送経路を決定するためのルーティング機能を提供します。ルーティングテーブルを使用して、最適な経路を選択し、データを転送します。
- 一部の高度なルータは、ステートフルファイアウォールやNAT(Network Address Translation)などの機能を提供し、セキュリティやプライバシーの強化に役立ちます。
- ルータは比較的高価なデバイスであり、大規模なネットワーク環境では複数のルータが必要になる場合があります。
【ルータのメリット】
- ルータは、異なるネットワーク間でのデータ転送を可能にするための接続点として機能します。これにより、複数のネットワークを一体化し、効率的な通信を実現することができます。
- ルータは、ファイアウォール機能やアクセス制御リスト(ACL)などのセキュリティ機能を提供することができます。これにより、ネットワーク上のセキュリティを強化し、不正アクセスや攻撃からデータを保護することができます。
- ルータを使用することで、ネットワークをスケーラブルに構築することができます。大規模なネットワーク環境でも、ルータを追加することでネットワークの拡張が容易になります(スケーラビリティ)。
ルータの利用により、異なるネットワーク間の接続やデータ転送、トラフィック管理、セキュリティ強化などが実現されます。これにより、効率的で安全なネットワークインフラストラクチャが構築され、ユーザーや組織のビジネス活動が支援されます。
ルーティング
ルーティングは、ネットワーク上でデータパケットを送信元から目的地まで効率的に転送するためのプロセスです。
- ルーティングは、ネットワーク上のデータパケットを送信元から目的地まで転送するための方法を決定するプロセスです。最適な経路を選択してパケットを転送することで、効率的な通信が実現されます。
- ルーティングは、ネットワーク上のトラフィックパターンやネットワークの変化に応じて経路を動的に更新する機能を持ちます。これにより、ネットワークの最適な状態を維持し、通信の品質を向上させることができます。
- 大規模なネットワークでは、ルータが管理するルーティングテーブルのサイズが大きくなることがあります。これにより、ルータのリソースや処理能力に負荷がかかる場合があります。
【ルーティングのメリット】
- ルーティングにより、データパケットは最適な経路を選択して送信されます。これにより、通信の効率が向上し、ネットワーク全体の帯域幅を効果的に活用することができます。
- ルーティングは動的な経路計算を行うため、ネットワークの拡張や変更に柔軟に対応することができます。新しいネットワーク機器の追加やトポロジーの変更によっても、通信の品質や効率を維持することが可能です。
- ルーティングは複数の経路を持つことができるため、一部の経路が利用できなくなった場合でもデータの転送を継続することができます。これにより、ネットワークの冗長性が向上し、通信の信頼性が高まります。
ルーティングにより、効率的なデータ転送やネットワークの柔軟性、信頼性の向上、セキュリティの強化など、様々な利点がもたらされます。これにより、ネットワーク全体のパフォーマンスや安定性が向上し、ユーザーや組織のビジネス活動が支援されます。
サブネットマスク
サブネットマスクは、コンピューターネットワークにおいて、IPアドレスをネットワーク部とホスト部に分けるために使用される数値のことです。
サブネットマスクを使うことで、あるIPアドレスがどのネットワークに属しているかを特定することができます。
サブネットマスクはIPアドレスと同じ形式で表され、通常は32ビットの長さを持ちます。IPアドレスの各ビットに対応するビットが1である部分はネットワーク部を示し、0である部分はホスト部を示します。サブネットマスクは、IPアドレスとビットごとの論理AND演算を行うことで、IPアドレスのネットワーク部を抽出します。
【具体例:サブネットマスク】
例えば、IPアドレスが「192.168.1.100」で、サブネットマスクが「255.255.255.0」の場合、このサブネットマスクは24ビットが1で、残りの8ビットが0で構成されています。この場合、IPアドレスの最初の24ビット(192.168.1)はネットワーク部を示し、最後の8ビット(100)はホスト部を示します。つまり、このIPアドレスは「192.168.1.0」というネットワークに属していることがわかります。
サブネットマスクを使用することで、ネットワークを適切にセグメント化し、効率的な通信を実現することができます。また、異なるネットワーク間の通信をルーティングするためにも使用されます。
おわりに
お疲れさまでした!今回は、第3層(ネットワーク層)について学習してきました。これも、ITにおける基本なのでぜひ覚えて帰ってください。では、さらば!
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