はじめに
今回はOSI基本参照モデルの第5層を勉強していきます。その中でも重要用語であるセッション層、マルチプレクシング、でマルチプレクシング、シーケンス制御、フロー制御の計5つをピックアップしました。これらの基本用語を理解することで、知識を派生させることができるようになり、より具体的な概念を学べるようになります。一緒に応用情報技術者試験を合格していきましょう!
【ここで扱う用語】
- セッション層(通信の管理者)
- マルチプレクシング(バスの乗車)
- デマルチプレクシング(バスの下車)
- シーケンス制御(セッションの順番を管理)
- フロー制御(データの速度を管理)
セッション層
- セッション層の主な役割は、セッションの確立、維持、終了です。つまり、通信の開始、通信中の状態維持、通信の終了を管理します。
- セッション層は、通信の開始、維持、終了を管理することで、通信が正しく行われることを保証します。これにより、データが正常に送受信され、通信が円滑に行われます。
- セッション層は複数の通信を同時に行うための技術を提供し、受信したデータを正しい通信に割り当てることで、効率的な通信を実現します(マルチプレクシングとデマルチプレクシング)。
- セッション層はデータの流れを調整するフロー制御と、データの順序を管理するシーケンス制御は、データの正確な送受信を確保し、通信の品質を向上させます。
*セッション:セッションは友達との会話のようなものです。会話が始まり、途中で何度か発言があって、最後に会話が終わるまでの一連の流れがセッションです。
【セッション層のイメージ】
セッション層は、通信を円滑に行うための「マネージャー」のような存在です。
例えば、友達と電話で話すとき、セッション層は電話をかける手続きや通話中の状態を管理し、通話が終わったら通話をきちんと終了します。これにより、通話中に混線したり、通話が途切れたりすることなく、スムーズな通話ができるのです。
このように、セッション層は通信の管理者として、通信の開始から終了までの全体を管理し、通信がスムーズに行われるようにします。
マルチプレクシング
- マルチプレクシングは、一つの通信回線を使って複数の情報を同時に送る技術です。
- マルチプレクシングは通信効率を高めるための重要な技術で通信線路や帯域幅を効率的に利用することができます。
【マルチプレクシングのイメージ】
マルチプレクシングは一つのバスでたくさんの乗客(データ)が同時に移動することに似ています。バスは一つの道(通信回線)を通っている間に複数の人(データ)を同時に目的地に運ぶことができます。
マルチプレクシングは、これらのデータを一つにまとめて送信することで、複数の通信を同時に行うことができるのです。このように、マルチプレクシングは一つの通信回線を有効活用して複数の通信を同時に行うことができる便利な技術です。
デマルチプレクシング
- デマルチプレクシングは、マルチプレクシングされた複数の通信データから、それぞれの通信に対応するデータを分離する技術です。
- デマルチプレクシングでは複数の通信データを一つの信号にまとめて送信しますが、デマルチプレクシングではその逆の操作を行い、受信した信号から元の通信データを分離します。
【デマルチプレクシングのイメージ】
デマルチプレクシングは一つのバスから乗客が降りる時、それぞれの乗客が自分の目的地に向かうように分離する作業に似ています。
p.s.つまり、マルチプレクシングとでマルチプレクシングは1つまたは少数の回線しかない時に有効な通信技術。そして、それを提供するのがセッション層。
シーケンス制御
ここでは『セッション層におけるシーケンス制御』を解説します。シーケンス制御はセッション層に限ったものではありません。トランスポート層、セッション層、ネットワーク層の3つで使われる技術です。その中でも今回はセッション層のシーケンス制御を解説します。
- シーケンス制御は、通信セッションの確立、維持、終了の管理に関連します。
- シーケンス制御は友達との電話通話のようなものです。通話を開始し、話し終わったら通話をきちんと終了することで、通信セッションの管理を行います。
シーケンス制御は以下のような役割を果たします:
- セッションの確立: セッション層は、通信を開始する前にセッションを確立します。これは、通信相手との接続や準備を整えることで、通信の開始準備を整える役割があります。
- セッションの維持: セッション層は、通信中にセッションを維持します。通信が途切れたり、セッションが終了したりしないように、通信の安定性を保つ役割があります。
- セッションの終了: セッション層は、通信が終了した後にセッションをきちんと終了します。通信相手との接続を解除し、リソースを解放することで、通信の終了を管理します。
これらの役割により、セッション層のシーケンス制御は通信の安定性と信頼性を確保し、情報技術者試験においても通信プロトコルやネットワークの理解を深める上で重要な概念です。
フロー制御
ここでは『セッション層におけるフロー制御』を解説します。シーケンス制御はセッション層に限ったものではありません。トランスポート層、セッション層、ネットワーク層の3つで使われる技術です。その中でも今回はセッション層のシーケンス制御を解説します。
- フロー制御は、通信セッションの管理を行いながら、データの送信速度を制御する技術です。
- フロー制御は、通信セッション中にデータの送信速度を制御します。これにより、送信側と受信側の通信速度が一致し、通信がスムーズに行われます。
【フロー制御のメリット】
- フロー制御は受信側が処理できる速度よりも早くデータを送信しないように制御できる
- フロー制御は通信中にデータの欠落や過負荷を防ぐために使用されます。送信速度や順序を制御することで、通信の安定性を確保し、通信の中断やエラーを防ぐ
これらの役割により、セッション層におけるフロー制御は通信の安定性と信頼性を確保し、情報技術者試験においても通信プロトコルやネットワークの理解を深める上で重要な概念となります。
おまけ:シーケンス制御とフロー制御の違い
- フロー制御 (Flow Control):
- フロー制御は、データの送信速度を調整する技術です。送信側と受信側の通信速度の不一致や、受信側のバッファのオーバーフローを防ぐために使用されます。通信セッション中にデータの流れを調整し、適切な速度でデータを送受信することで、通信の安定性と信頼性を確保します。
- シーケンス制御 (Sequence Control):
- シーケンス制御は、データの送信順序を管理する技術です。送信側で送信されたデータが、受信側で正確な順序で受信されるように制御します。通信中にデータが欠落したり、順序が入れ替わったりしないようにするために使用されます。特に通信の信頼性を確保するために重要な役割を果たします。
つまり、フロー制御はデータの送信速度を調整し、通信の安定性を確保するための技術であり、シーケンス制御はデータの送信順序を管理し、通信の正確性を確保するための技術です。
p.s.フロー制御だけで送信速度と順序を管理できる場合もありますが、シーケンス制御はデータの正確性を確保するために必要です。
おわりに
今回はOSI基本参照モデルの第5層を取り扱いました。その中でも重要用語であるセッション層、マルチプレクシング、でマルチプレクシング、シーケンス制御、フロー制御の計5つをピックアップしました。これらの基本用語を理解したことで、更に自分で派生させ、より具体的な概念を学べるようになりました。
このような勉強習慣を続けていけば必ず応用情報技術者試験は受かります。これからも一緒に頑張っていきましょう!では、さらばじゃ!
【この記事も一緒に読まれています】